兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

トピックス

トピックス

【抗議声明】伊方原発地元合意抗議

2015.11.14

2015年11月14日


四国電力伊方原発の「地元合意」手続き終了に抗議し、

再稼働しないように求める

   

  兵庫県保険医協会

第1028回理事会

理事長 西山 裕康

 

 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の再稼働について、10月22日の山下和彦伊方町長の同意に続き、10月26日、中村時広愛媛県知事が同意を表明した。伊方原発3号機について、原子力規制委員会はすでに今年7月15日に新規制基準に基づく審査書を正式に決定しており、新規制基準ができて以来、九州電力川内原発に次いで2例目の「地元同意」の手続きは完了し、来年早々の再稼働をめざして準備が進められている。しかし、東京電力福島第一原発事故の収束作業も見通せず、国民の多くが「脱原発」を求めている中で、原発の再稼働は許されない。

 伊方原発は「日本一細長い」とされる佐田岬半島の付け根にあり、原発より西側に約5千人が住んでいる。事故が起こった際に、フェリーを使うなどの避難計画が出されているが、実効性に乏しく、住民からは不安の声が出されている。しかし、伊方町議会は再稼働の是非を話し合う特別委員会を非公開にし、県知事も自ら住民の声を直接聞く討論会を開かず、住民の不安の声に向き合っていない。

 再稼働の判断について、愛媛県知事は、重大事故時に国が最終責任を持つという安倍晋三首相の表明など、8項目を再稼働の「条件」に掲げていたが、首相が「責任を持って対処する」と発言したことを大義名分に、具体的な対策もないまま同意した。

 さらに、重大事故発生時の瀬戸内海の放射能汚染の影響を考えた場合、原発事故のリスクは、立地自治体だけではなく周辺自治体も全く同じである。再稼働に必要な地元同意の範囲を立地自治体に限定する必然性はなく、広く瀬戸内海に接する全県・全自治体の同意も必要とすべきである。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。

 伊方原発の再稼働計画の中止を政府・四国電力に強く求めるとともに、愛媛県知事、伊方町長には地元同意の撤回を求める。