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【抗議声明】関西電力高浜原発3号機の再稼働に抗議
2016.02.06
2016年2月6日
関西電力高浜原発3号機再稼働に断固抗議する
兵庫県保険医協会 環境・公害対策部長
森岡 芳雄
新規制基準に適合したとして、1月29日、関西電力は高浜原発3号機を、約3年11カ月ぶりに再稼働した。新規制基準施行後、九州電力川内原発1、2号機に次いで3基目で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電では初めてとなる。われわれは高浜原発の再稼働を強行した関西電力、政府に対し、強い憤りをもって断固抗議する。
福島第一原発事故からまもなく5年となるが、今も重大事故に至った原因すら解明されていない上、廃炉への道筋も明確にはなっていない。福井地裁は昨年12月、高浜原発の再稼働を認めない仮処分決定を取り消しながらも、「過酷事故が起きる可能性が全く否定されるものではない」と指摘している。プルサーマル発電は通常のウラン燃料に比べ制御棒の効きが悪く、事故のリスクが高く、事故時の放射能汚染も格段に強い。また、高浜原発3号機では、火災防護のためのケーブル分離敷設状況の現場確認を1カ所でしか行っていない原子力規制委員会のずさんな審査方法も明らかになっており、安全対策上も問題がある。
避難計画の策定が義務付けられている半径30キロ圏内では、具体的な避難計画が確定していない地域も多く、広域避難先の自治体も約9割が受け入れに課題を抱えていることも判明し、政府が「具体的かつ合理的」として了承した広域避難計画の不十分さも明白になっている。高浜原発で万が一事故が起きた場合、近畿の水甕である琵琶湖の汚染が想定される。30キロ圏内の自治体からも原発再稼働反対の声が上がっている。国民の圧倒的な原発反対の声を無視することは許されない。
われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を産出し続ける原発の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。再稼働した高浜原発3号機および川内原発1・2号機の停止を直ちに行うことを強く求める。