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【声明】伊方原発3号機の再稼働準備の中止を求める

2016.07.27

2016年7月27日

伊方原発3号機の再稼働準備の中止を求める

  兵庫県保険医協会

環境・公害対策部長 森岡芳雄

 四国電力と愛媛県は7月17日、再稼働に向けた最終準備を行っている伊方原発3号機で、1次冷却水のポンプ内の部品が壊れ、不具合が発生したと発表。当初7月26日を予定していた再稼働が8月以降にずれ込む見込みだとした。

 壊れたとされる部品は今春交換したばかりで、四国電力が不具合の原因を調べているが、明らかになっていない。伊方原発3号機は運転開始から今年の11月で30年が経過する「老朽原発」である。停止後約5年が経過しており、停止に伴う設備の劣化も懸念される。不具合の原因も判明していない中、再稼働の準備を行うのは許されない。

 避難計画にも問題が多くある。交通権学会の上岡直美会長は、伊方原発について、過酷事故と地震などによる複合災害が発生し、全住民が30キロ圏外に車で一斉に避難した場合、通常時の1・5倍となる12時間10分かかるという試算を出している。具体的な避難計画も策定されておらず、住民を被ばくさせずに避難させるのは不可能だ。また、停止中の高浜原発3・4号機と同様、プルトニウムとウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を行う計画であり、ウランでの発電よりも危険性が高いことが専門家から指摘されている。重大事故発生時の瀬戸内海の放射能汚染の影響も非常に大きく、原発事故のリスクは広大な範囲に及ぶ。

 事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所は、新設・増設・再稼働いずれも到底認められるものではない。まして不具合を起こした原発ではなおさらである。

 伊方原発の再稼働準備の中止を政府・四国電力に強く求める。