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【声明】トラブルが続く伊方原発3号機をただちに停止させるよう求める
2016.09.03
トラブルが続く伊方原発3号機を
ただちに停止するよう求める
兵庫県保険医協会
環境・公害対策部 森岡芳雄
8月26日、愛媛県と四国電力は、8月12日に再稼働したばかりの四国電力伊方原発3号機で、配管設備から約1.3トンの排水が漏れるトラブルがあったと発表した。排水に放射性物質は含まれておらず、9月7日に予定している営業運転の日程に変更はないとしている。
伊方原発3号機では、7月末の再稼働予定の直前にも1次冷却水系循環ポンプで不調が発覚。重大事故につながる恐れがあったにもかかわらず再稼働を半月延期させるのみで、不具合の原因追及を行わないまま、再稼働を強行した。3号機は今年の11月で運転開始から30年が経過する「老朽原発」であり、約5年の停止期間を経た設備の劣化も十分に想定できる状況にある。今回の水漏れの原因は配管のつなぎ目のパッキングの亀裂とされているが、亀裂の発生の原因は不明である。一定の点検と整備を経て、新規制基準審査に臨んで再稼働を始めた3号機原発の度重なる事故は、四国電力の点検・整備がずさんであること、内容の不十分さだけでなく、原子力規制庁の行っている新規制基準審査が現認を充分に行わない机上の書類審査でしかないことによるものであり、安全を保障するものでまったくないことは明白である。
伊方原発3号機は、中央構造線活断層系が直近を走る佐田岬半島の付け根の急峻な地にあり、重大事故発生時に充分な人員と物資を投入することができなかったり、半島の多くの住民が避難できずに取り残されてしまったり、放射能汚染が瀬戸内海全域に及ぶ可能性が高いなど危険な立地であるにもかかわらず、通常の原発より危険なプルサーマル発電を計画している。
いのちと健康を守る医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設・増設・再稼働のいずれもわれわれは到底認めることができない。危険性が極めて高く、不具合を起こし続けている伊方原発3号機の即時稼働中止を政府・四国電力に強く求める。