兵庫県保険医協会

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主張 憲法を活かし今こそストップ!患者負担増

2017.03.25

 日本国憲法前文には「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し...」とある。
 しかし、現実の政治はどうだろうか。
 2014年の衆議院選挙で、自民党は小選挙区の75%の議席を得たが、得票率は48%に過ぎなかった。これでは「国民の代表者」とは言いがたい。
 さらに、議員・議会の劣化がはなはだしい。一強である自民党では、首相官邸に異を唱えれば、公認や政治資金が得られなくなるという空気が党内を覆っている。昨年の臨時国会における首相の所信表明演説での、自民党議員のスタンディングオベーションは異様に映った。
 国会論戦でも、どうせ多数決で決められると、まともな答弁が行われていない。安倍首相は「こんな議論を何時間やっても同じ」と居直る始末、「国民の厳粛な信託」は片鱗もうかがえない。
 このような状況で、昨年末には、PKOへの「駆けつけ警護」付与、公的年金改革法(年金カット法)、統合型リゾート整備推進法(カジノ法)などの重要事項・法案が、次々と決められており、由々しき事態といえる。

進められる医療・介護改悪

 これから国会に、医療・介護に関わる法案が提出されようとしている。
 その内容は、高額療養費制度の上限額の引き上げ、入院時の光熱水費負担、介護保険の3割負担など、国民の生活に直結するものばかりである。
 税・社会保障の一体改革に基づき、国会のたびに行われている医療・介護改悪は、自己負担額を高いほうに合わせて引き上げ続けるとともに、給付範囲の縮小を進めている。
 特に介護保険は、保険料は徴収するが利用はできない、〝国家的詐欺〟とも呼べるような、ひどい制度へと改悪されようとしている。
 さて、日本国憲法では「第3章 国民の権利及び義務」として、第11条・基本的人権、第13条・幸福追求権、そして第25条・生存権が示されている。立憲主義では、この憲法の条項に従って政治を行うことが要求されているはずだが、現状との乖離が甚だしい。
 一方、憲法第12条には、われわれの自由、権利は「不断の努力によって保持しなければならない」とある。われわれの行動が求められている。現在、協会は、保団連が提起した「今こそストップ!患者負担増」署名に取り組んでいる。それぞれの支部・医療機関で創意工夫した取り組みを期待したい。
 この運動を通じて会内外の世論を高め、大きく政治を変えていく力にしようではないか。