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【声明】高浜原発再稼働容認の大阪高裁決定に抗議し、再稼働の中止を求める

2017.04.25

関西電力株式会社 岩根茂樹 殿

 

高浜原発再稼働容認の大阪高裁決定に抗議し、再稼働中止を求める

  兵庫県保険医協会

第1057回理事会

 大阪高裁は3月28日、関西電力高浜原発3・4号機の差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定を覆す決定を行った。この決定は、原発の危険性と住民の不安を無視するもので、断じて容認できないものである。

 大津地裁は、新規制基準は福島第一原発事故の原因究明が不十分な中で作られたものであるとして、「基準を満たしただけでは不十分」と判断した。これに対し、大阪高裁は新規制基準を「解明された事故の教訓に加え、最新の科学的・技術的知見などを検討し、不合理なものとはいえない」との判断を行っている。しかし、新規制基準は、原子力規制委員会の田中俊一委員長自らが「絶対安全とは申し上げない」と表明したものであるのに加え、欧州の安全設備と比較しても最新とはとても呼べないものである。

 また、原発に関する資料のほとんどを電力会社が保有しているにも関わらず、新規制基準が合理性を欠くことを立証する責任は住民にあると、責任を住民に転嫁している点からも合理性に欠けるものである。

 関西電力は、大津地裁の決定に真摯に向き合うことなく控訴し、事故の反省に立たず、住民の不安に向き合わない理不尽な高裁決定を引き出した。この高裁決定を根拠に再稼働を進めようとしている関西電力に対し、われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、再稼働という暴挙を改め、全原発の廃炉を決断するよう強く求める。