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【声明】厚労省のデータねつ造に抗議する
2018.03.10
厚労省のデータねつ造に抗議する
兵庫県保険医協会
第1072回理事会
政府は今国会で、働き方改革関連法案を成立させようとしていたが、根拠としていた厚労省のデータが不適切であったとして、裁量労働制の拡大部分を全面削除することを決定した。
問題となるデータは、裁量労働制で働く人と一般労働者の労働時間を比較する際に、裁量労働制の人が「1日の労働時間」、一般労働者は「1カ月に最も働いた日の残業時間」に、法定労働時間の8時間を足して平均労働時間とし、これを根拠に裁量労働制で働く人の方が労働時間が短いとしていた。結論ありきの明らかなデータねつ造であり、決して看過できない。その後も、調査データの異常値が多数明らかになるなど、問題が相次いでいる。
このデータは、2015年3月以降、繰り返し使われてきたが、ねつ造が明らかになった今、裁量労働制の撤回は当然である。
我々は、科学者として、また厚生労働省の所掌の下で、地域医療を担い国民の命と健康を守る医師・歯科医師として、一連の杜撰な資料、拙速に過ぎる審議に強く抗議するとともに、今後行われる「医師の働き方改革」においても資料を再確認し、透明性の高い資料と確固たる根拠に基づく審議からなる政策を求める。
以上