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【決議】兵庫県保険医協会 第50回総会決議
2018.06.17
兵庫県保険医協会 第50回総会決議
安倍自公政権は、成長戦略として規制緩和と財政出動を進める一方、基礎的財政収支の均衡を理由に消費税増税と社会保障費抑制を続けてきた。これにより大企業は過去最高益を更新し続けているが、国民生活は消費税や社会保障に関わる負担の増大により疲弊する一方である。この先、消費税率10%への増税、受診時定額負担制度や参照価格制度、高齢者の医療窓口負担増などが実施されれば、国民生活は困窮し、必要な医療さえ受けられず、命と健康を危険に晒すことになりかねない。
度重なる法人減税と大企業向けの租税特別措置の拡大は、税収構造をゆがめ、財源確保に困難をきたしている。政府は大企業の利益拡大が国民生活の向上につながるというが、拡大した利益の多くは社内に留保され国民生活は豊かになっていない。今、必要なことは、大企業に正規雇用の拡大と賃金の引き上げをさせるとともに、大企業と富裕層による応分の負担で、社会保障を充実させることである。国民の切なる要望に応えるこれらの施策こそ、国民を豊かにして経済の好循環を生み出し、持続可能な社会を創るものである。
首相は本来憲法を尊重し擁護する義務を負う立場にありながら、自ら改憲に意欲を示している。また、厚生労働省によるデータ捏造、財務省による公文書改ざん、首相周辺人物への国有財産の不透明な払い下げ、自衛隊によるイラク派遣時の日報隠蔽など不祥事が相次いでいる。さらに、これらの不祥事について検察は関係者の捜査を行ないながらことごとく不起訴にしている。これらは、立憲主義、平和主義、議会制民主主義、財政民主主義、文民統制、三権分立など、これまで日本の繁栄を支えてきた価値観や原則を蔑ろにするものである。この流れの行き着く先は、国民の安全と生存、人権が容易に脅かされる戦前のような社会である。
私たちは国民の命と健康を守る医師・歯科医師として、国民の生存権をはじめとする諸権利を脅かすあらゆる動きに反対する。
記
一、患者・介護利用者負担増計画をやめ、応能負担を強化し、医療・社会保障を拡充すること。
一、消費税の10%増税を中止し、医療にはゼロ税率を導入して医療機関の控除対象外消費税負担を解消すること。
一、保険でより良い歯科医療を実現するため、歯科技術料を正当に評価し、保険適用範囲を拡大すること。
一、東日本大震災や熊本地震など災害被災者に対し、国の責任で支援を抜本的に強めること。
一、再稼働した原発を直ちに停止し、原発ゼロ政策の推進、再生可能エネルギーの拡大を進めること。
一、日本国憲法を守り、日本国憲法の理念が行き届く社会を実現すること。
以上、決議する。
2018年6月17日 兵庫県保険医協会第50回総会