兵庫県保険医協会

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主張 「保険でより良い歯科」 実現へ署名に取り組もう

2019.05.25

 協会は、4月より「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」に取り組んでいる。
 新たに署名運動に取り組むことについて、「エッ、また署名?」と思われる方もおられるかもしれない。しかし署名を集めて国会や政府に請願することは、われわれの目前にある喫緊の課題について、変更・改善させるために憲法で保障された唯一の手段である。署名運動に加えて、選挙において医療を充実させる政党と議員に投票すること、長期的にはわれわれの主張を広く発信して医療制度に精通した人材を育て、政治の場に送ることも重要である。
 署名の請願事項は3点である。
 一つには、「お金の心配をせず、歯科治療が受けられるよう窓口負担割合を引き下げてください」である。欧州先進国の多くでは、窓口負担が原則ゼロ、もしくは低額に抑えられていることは、周知のごとくである。
 しかしわが国の国民皆保険制度は、政府が国保などへの保険財政への税金の支出を削減しているため、国保をはじめとして保険料が非常に高い。
 さらに、受診時には現役世代でさらに3割の窓口負担が必要である。これでは受診が必要なときに、お金の心配なく受診することができない。
 二つには、「保険の効く歯科治療を増やしてください」である。これは以前全国保険医団体連合会が行ったアンケートで、国民の希望の第1位となったものである。ブリッジ支台第二小臼歯への前装金属冠、金属床部分義歯など、安全性も確保され十分に普及しているにもかかわらず、保険導入がされていないため希望の治療が保険で受けられないことも多い。国民の求めに応えることは、歯科の発展に大きく寄与するものでもある。国民の大きな声に応え、歯科保険診療の範囲を拡大するよう、国に強く求めていく。
 三つには、「歯科医療の充実に必要な費用は、国の責任で確保してください」である。歯科で保険診療を拡大するには、治療への対価を診療報酬で十分に担保することが不可欠である。安心・安全の歯科医療を実現するためにも、現在の低すぎる歯科診療報酬を拡充することこそが、国民と医療者の願いである。
 確かに日常診療の中で署名運動に取り組むことについて、面倒だと感じる方もいらっしゃるかもしれない。そういう方々には、ご自身とご家族の名前だけでも記入して提出するよう重ねてお願いしたい。
 署名の1次締切は5月末として、寄せられた書名は6月6日の国会署名提出集会で国会議員に手渡す予定。今の時点で医療機関で集まった署名をご返送いただきたい。歯科医療の充実を求めて、秋の臨時国会にも署名を引き続き提出する。最終締切の11月まで、引き続きご協力いただきたい。
 黙っていては医療制度の改善は見込めない。医療制度の拡充は医科・歯科双方の願いであることは疑いようがない。医科・歯科一体で署名運動に取り組み、国会議員への要請を通じて、医療制度の充実を実現しよう。