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兵庫県へ全ての医療従事者や職員に新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金を給付するよう求める申し入れ
2020.07.09
2020年7月9日
兵庫県知事
井戸敏三 殿
兵庫県保険医協会
理事長 西山裕康
NHKの報道によれば貴殿は、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金に関して、実際に感染患者に接していない医療従事者について「何にもしていないのに、なんで慰労金を出すのか。まったく説明がつかないような税金の使い方は兵庫県としてはやる気はない」と述べ、支給の対象から外す方針を明らかにしました。
緊急事態宣言が発令された7都府県の一つであるにもかかわらず、感染患者に接していない医療従事者に対する「何もしていない」との知事の発言は、無症状病原体保有者が少なくない中、等しく感染リスクを共有し、地域医療を支えているすべての医療従事者の心を深く傷つけ、落胆させる、極めて不適切な内容であるといわざるを得ません。
しかし、歯科を含む全ての医療機関は、政府による緊急事態宣言発令後も政府の求めに応じ、新型コロナウイルス感染のリスクと不安の中、国民に安心、安全な医療を提供し続け、慢性疾患の管理や新型コロナウイルス感染症が疑われる患者の院内トリアージを実践し、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者の検体採取や実際の治療などに全力を尽くしてきました。
こうした中、患者の受診抑制拡大による医業収入が激減するという状況の下でも、各医療機関は従業員の尽力を労うため、臨時ボーナスや危険手当を支給しています。
我が国において、国は国民に対し、憲法25条に規定された生存権の一つとして受療権を保障するとともに、医療提供を公私の分け隔てなくすべての医療機関に担わせており、保険医療機関は憲法が定めた生存権の具体的保障を役割とする公益医療を提供しています。県内すべての地域において、万一でも現状の医療提供体制が途切れるような事があれば、国民の生存権保障が脅かされることになります。地域住民もすべての医療機関とその従事者を信頼し、心を寄せています。
安倍晋三内閣総理大臣も「ウイルスとの戦いの最前線で奮闘してくださっている医療従事者、病院スタッフの皆さん、介護事業所の皆さんに、心からの感謝の気持ちとともに、最大20万円の給付を行う考えです」(5月25日記者会見)としていますし、厚生労働省も「感染防止に取り組みながら、重症化する恐れのある患者や高齢者に接して地域医療や介護を支える人たちを慰労するのが目的」(7月7日NHK報道)と述べています。兵庫県は国の趣旨に従って「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」を全医療従事者に給付すべきです。下記の通り要請いたします。
記
一. 「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」を全医療従事者に給付すること
以上